極上な御曹司にとろ甘に愛されています
ダークな笑みを浮かべて萌の方に顔を寄せれば、彼女は身体を逸らしながらか細い声で訂正した。

「いえ……私の妄想のような気がしてきました」

「へえ、悪魔な恭介を知ってるなんて、それこそ恭介が相田さんに気を許してるってことだと思うよ」

真木さんが鋭く突っ込みを入れる。

「まさか」

萌はブンブンと首を振り、即座に否定した。

「それ……俺の前で否定するのもどうかと思うけど」

苦笑しながらそう指摘すると、萌は手を合わせて俺に謝った。

「あ~、すみません。高橋さんが悪いとかじゃなくて……」

狼狽えた萌は箸を持ったままあたふたする。

「恭介、萌ちゃん、困ってるじゃないか?意地悪言うのもその辺で止めとけ。じゃあ、次の予定もあるからそろそろ会社に戻ろうか」

結局、真木さんが萌と俺の分をご馳走してくれて、またタクシーに乗って会社に戻ると、田中が電話の対応に追われていた。

「お前、新人じゃないんだから、電話二本取って応対する位の芸当を見せろよ」
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