極上な御曹司にとろ甘に愛されています
彼の言葉にギクッとした。

私からって……。

真木さん、恭介の風邪移したの……私だって確信してるよね?

でも……席が隣だし……変には思われないはず。っていうか、そう信じたい。

恐る恐るふたりのやり取りを見ていると、恭介は無言でレーザービームのような鋭い視線を真木さんに向けた。

喉が辛いから声を出して怒りたくないんだろうな。

……美形が怒ると、かなり恐いんですけど……。

「その目、本気で怒るなよ。怖い」

乾いた笑いを浮かべると、真木さんは机の上に溜まった書類に目を通す。

あっ、ボーッとしてちゃいけない。

恭介の具合が気になったけど、私も自分の仕事に取りかかった。

午前中は電話もあまり鳴らず、事務用品や飲み物の在庫確認や発注、時間が出来ると仕事のマニュアルを作ったりして、平穏に過ごした。
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