極上な御曹司にとろ甘に愛されています
黒い笑みを浮かべると、真木さんは私の手を掴んでパクッと唐揚げを口にする。

突然の真木さんの行動に私は絶句した。

私の唐揚げ……食べかけだったのにいいの?

「うん。上手い」

真木さんは私の目を見て満足顔。

「真木さん、ここをキャバクラと勘違いしてませんか?相田さん、その箸よく洗った方がいいよ」

恭介は眉間にシワを寄せ不快感をあらわにする。

「おい、高橋~、俺をバイ菌扱いするな」

真木さんは恭介の背中をバンバン叩き、ヘラヘラ笑って誤魔化そうとする。

「もうバイ菌と言ってもいかもしれません……ゴホッ、ゴホッ。真木さんのせいで風邪が悪化しそうですよ」

呆れ顔で言う恭介をなだめようと、真木さんは折れた。

「はいはい、俺が悪かったですよ」

いじける振りをする真木さんを冷ややかに見る恭介。

こうなるとテンポのいい彼らの会話にはなかなか入っていけない。
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