極上な御曹司にとろ甘に愛されています
横で聞いてるだけで辛そうだ。

時々チラッと恭介を見るけど、顔色もいくぶん悪い。

お昼は結局お握りとおかずを少し食べただけ……。

食欲ないみたいだし、このままだと倒れてしまうんじゃないだろうか?

明日からまた連休に入るけど、今日は定時で帰れるの?

さすがに今日は接待や客先で打合せはないと思う。

恭介が電話を終わらせると、今度は彼の席の電話が鳴った。

「……は……い、グローバル推進課……高橋です」

かすれた声で電話に出る恭介。

「……今からですか?は……い、わかりました」

電話を切ると、恭介は疲れたようにハーッと溜め息をつく。

「真木さん、呼ばれたんで……しばらく席外します」

酷く疲れた顔をして席を立つと、恭介は真木さんに声をかけた。

「ああ、ご苦労さん」

真木さんは左手を上げながらコクリと頷く。

恭介は週に何度か今みたいに内線がかかってきて、席を一時間位外すことがある。
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