極上な御曹司にとろ甘に愛されています
何かプロジェクトの打合せなのだろうか？

あと三十分で定時なのに……。

「……今日もちゃんと定時で上がること」

恭介は私を気遣ってそう言うと、私の手に自分の手を重ねてギュッと握った。

ハッとして彼を見上げると、優しい目で微笑んでいた。

首を縦に振ってコクっと頷くことしか出来ない私。

恭介は私の手からゆっくり手を離すと、居室を後にした。

「……手が熱かった」

ひょっとして熱があるんじゃあ……。

人のこと心配してる場合じゃないでしょう？

自分の心配は誰がするのよ。

恭介の体調が気になる。

定時きっかりに上がると、会社近くのコンビニで買い物をしてタクシーに乗り恭介の家に向かった。

彼の住所は課のメンバーの個人名簿を自分が管理していたこともあって良いことではないが難なく入手。

広尾にある恭介のマンションにつくと、エントランスの前で彼を待った。
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