極上な御曹司にとろ甘に愛されています
明日から連休だし、ここに帰ってくるという保証はない。

恭介のスマホに連絡を入れて仕事の邪魔するのは嫌だし……、一時間外で待って彼が帰って来なければ帰ろう。

スマホを取り出し、ネットでニュースを見たりして時間を潰す。

十九時を過ぎるとすっかり暗くなり、急に冷え込んできた。

ブルッと身体が震える。

カットソーにカーディガンだけでは寒い。あと十分待とう。そしたら諦めて帰る。

そう思った時だった。

一台の黒いタクシーがマンションのエントランスの前に停まり、恭介がドアを開けて降りてきた。

うつ向き加減で辛そうな彼はまだ私には気づかない。

「恭介」

スマホをバッグにしまって恭介に声をかけると、彼は酷く驚いた様子で私を見て駆け寄ってきた。

「……萌?どうしてここに?」

迷惑に思われたらどうしよう?

勝手に先走って来てしまったけど……。
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