極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「恭介が心配で……来ちゃった」

小さい声でそう告げると、恭介は私の身体をギュッと抱き寄せた。

「自分だって病み上がりのくせに……こんな寒いとこで待って……馬鹿だな」

恭介の言葉に胸がジーンとなる。

この時、自分の中で何かが弾けたような気がした。

「寒いから中に入ろう」

恭介は抱擁を解くと、私の手を引いてマンションの中に入り、エレベーターに乗って部屋に入る。

「キッチン借りていいですか?うどんとかなら食べられます?あと、リンゴも」

私はコンビニの袋を掲げてみせる。

「うん、ありがと。俺……とりあえず着替えてくるよ」

ゴホゴホ咳をしながら恭介は寝室へ向かう。

私はキッチンへ行って、コンビニ袋から買ってきた材料を出すと、調理器具をチェックした。

男の人がひとりで住んでいる割に、調理器具や調味料は揃っている。
< 152 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop