極上な御曹司にとろ甘に愛されています
卓はホッとしたような顔で笑うと、私の肩をポンと叩いた。

「うん、わかってる」

本当はご飯を作ったらすぐに帰るつもりだったのだけど、こんな状態の恭介をひとりにしてはおけない。

私だって彼に付きっきりで看病してもらったのだから。

「じゃあ、萌姉、俺……帰るけど、また何かあれば連絡して」

「うん。玄関まで送るよ。鍵かけなきゃいけないし」

私は卓に向かって頷くと、寝室のドアに手をかける。

「恭介さん、お大事に」

卓が恭介の方を見て声をかけると、恭介は右手を軽く上げて頷いた。

卓と一緒に寝室を出ると、長い廊下を歩いて玄関まで歩く。

「なんか、萌姉すっかり恭介さんの奥さんじゃない?」

悪戯っぽい目で卓が私をからかう。

お、お、奥さん?

「な、な、何不謹慎なこと言ってるのよ!」

顔を真っ赤にしながら怒ると、卓は笑った。

「責任取ってもらって嫁にしてもらえば?」
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