極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「何……その世捨て人のようなコメント。近くにいい男がいるのに、捕まえないなんて馬鹿だろ?」

卓は呆れ顔で私を見る。

一応私の方が姉なのに……その態度はないんじゃないの!

「馬鹿で結構ですよ」

私は口を尖らせてそう言うと、プイと横を向いた。

「そんな可愛くないことばっか言ってると恭介さんに振られるぞ。俺が見たところ、恭介さんは萌姉にぞっこんだと思うけど」

思わせぶりなその口調に、つい卓の顔を見てしまう。弟は私の目を見てニヤリ。

「まさか」

私は真顔で否定する。

「これ見てみろよ」

卓はズボンのポケットからスマホを取り出すと、ある画像を私に見せた。

『質問です!誕生日はいつですか?』

聞き覚えのある私の声。
< 159 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop