極上な御曹司にとろ甘に愛されています
彼女が俺のマンションの前に立っているのを見た時から、彼女の気持ちが俺にあると思った。

萌が俺に風邪を移したことに責任を感じていたとしても、普通男の家までわざわざやって来ないはず。

責任感だけで他の男の家にホイホイ行かれては困るのだ。

身体が辛くてもそのことはずっと頭のどこかで懸念していた。

萌が病気の時は同じベッドにいても手を出さずにいたが、今回自制が効かなかったのはそんな気持ちの焦りもあったかもしれない。

このまま自分のものにしてしまいたい。

衝動にかられて萌を求めてしまったが、そこに愛がなかったわけではない。

愛おしいが故に欲しくなるし、理性的に振る舞えなくなる。

自分の都合のいい言い訳かもしれない。

萌を身体中隈なく愛して自分のものにして、永遠に繋ぎ止めておきたい……そんな想いに支配され彼女にキスしていたが、彼女が俺の頭をギュッと抱き締めて来てハッと我に返った。

自分が先走って強引に萌を手に入れても虚しいだけだ。

大事にしたいから……愛おしいから彼女に心から伝えた。
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