極上な御曹司にとろ甘に愛されています
絡み合う視線。

俺が唇を重ねると、萌はそっと目を閉じた。

少しは抵抗するかと思ったが、今度は自然に受け入れてくれて彼女の戸惑いは感じなかった。

「キス、慣れてきたね」

萌の唇を指でなぞりながら褒めると、彼女は動揺しながらもおかしな言葉を返した。

「そ、そ、それは先生が凄腕だからですよ」

耳まで真っ赤。

「『凄腕』って何?そんなに俺キス上手いんだ?」

肩を震わせ笑いを堪えるが、抑えきれずに吹き出してしまう。

「笑わないで下さいよ。他の人とキスした経験なんてほとんどないから比べられないですけど……。とにかくテクが凄いのはわかります!」

腹を抱えて笑う俺を見て、萌は口を尖らせた。

だが、彼女のセリフに笑いがピタリと止まる。

「へえ、でもキスの経験はあるんだ?」

もう大人だし当然キスくらい経験済みとは思うが、自分以外の誰かが萌の唇を奪ったかと思うと面白くない。

俺の声音に不穏な響きを感じたのか、萌はあたふたしながら説明する。
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