極上な御曹司にとろ甘に愛されています
申し訳ないなと思いながらもジャズがかかってる店内の雰囲気が良くて毎日足を運んでしまう。

お客さんも品のいいおじ様が数人いる程度で、落ち着いて英語の勉強に専念出来る。

まあ、私のやる気次第とは思うけど。

香り豊かなコーヒーを口に運ぶと、隣にいた八十くらいのおじいさんが「あれっ?んん?」と呟きながらタブレットを指で連打していた。

じっと様子を見ていると、どうやら将棋ゲームの画面が固まって動かなくなったらしくて首を傾げている。

「スイッチのボタンを長押しして再起動してみてはどうでしょう?」

余計なことかと思ったが、機械に弱い自分の祖父を見ているようでついアドバイスしてしまった。

すると、おじいさんは気を悪くした様子もなく私を見て「なるほど」と頷く。

私のアドバイス通りにタブレットを再起動させると、おじいさんは再び将棋のアプリをタッチした。
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