極上な御曹司にとろ甘に愛されています
取り残された私と田中君。

微妙な空気が流れる。

「……相田さんって高橋さんと付き合ってるの?」

「……うん。ごめんね。だから一緒には行けない」

田中君と目を合わせる勇気がなくてうつ向いて小さく答える。

机に置かれたチケットを私がそっと差し出すと、彼は無言で受け取りトボトボと重い足取りで自席に戻っていく。

そんなに驚かせてしまっただろうか?

……田中君、ビックリさせてごめんね。

そりゃあ、私みたいな普通の子が恭介と付き合ってたら意外すぎて驚くよね?

もうどうして恭介は田中君にバラすようなことしたの!

後でとっちめてやるんだから!

その後、打合せから恭介が戻ってくると、キッと彼を睨み付けた。

でも、恭介は何食わぬ顔で私に「相田さん、この書類十部コピーお願い」なんて頼んでくる。

私が不機嫌な理由を知ってるくせに……。
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