極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「わかりました」

仏頂面で書類を受け取れば、真木さんがやって来てポンと肩を叩き声を潜めた。

「相田さん、顔が怖いよ。許してやって。あいつも余裕ないってことだよ。まあ、俺的には楽しんだけどね」

真木さんは目を細めニコッと笑いながら私をなだめようとする。

どうやら真木さんはさっきの出来事を目撃していたらしい。

あの顔のどこが余裕がないんですか?

大声で叫びたくなったが、みんながいる前でプライベートな話題を口にするわけにはいかない。

グッと堪えながら、小声で真木さんに不満を口にした。

「楽しまないで下さいよ。こっちはハラハラして仕事になりません」

「それは恭介もだと思うよ。相田さんが心配で打合せを早く終わらせて戻ってきたからね。なのに、焦りを見せずにスマートにやってしまうところが憎たらしいよな?」

真木さんは私の頭をポンポンと叩きながら、横目でチラリと恭介を見る。
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