極上な御曹司にとろ甘に愛されています
卓は恭介に心酔してるのか、恭介を褒め称える。

「コネにならない姉で悪かったわね」

弟の台詞にカチンときた私は、ムッとして言った。

『まあ、萌姉には期待してなかったから問題はないけど。恭介さんにお礼言っておいてよ』
卓は要件だけ言うとさっさと電話を切ってしまった。

姉をスルーして恭介に就職の相談って……。

最近ふたりがこそこそ連絡取ってたけど、こういうことだったのか。

それにしても所長まで挨拶してくるなんて……卓の言葉じゃないけどさすが恭介としか言いようがない。

きっと真木さんみたいに出世街道を突っ走っていくんだろうな。

深夜零時近くになってガチャンっと玄関が開く音が聞こえると、私は小走りで玄関に向かった。

「ただいま。まだ起きてたんだ?」

恭介が笑顔でそう言って私にキスしようとしたが、私は一歩退いて手を伸ばし待ったをかける。
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