極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「やんわり断っても田中はまた誘うよ」

「まさか。今回はたまたま映画のチケットもらっただけで、次は多分ないですよ」

私が恭介の言葉を否定すると、彼はハーッと溜め息をつきながら額に手を当てた。

「……気づいてないの?」

「気づいてないって何が?」

質問の意味がわからなくて聞き返すと、恭介に呆れた顔をされた。

「田中は萌のことが好きで誘ったんだよ」

「……嘘」

信じられない話に目を丸くしてると、トンと軽く頭を小突かれた。

「鈍感すぎ……。来週からイギリス出張なのに、萌を残してくの不安だな」

「ごめんなさい。でも、あんなバラし方しなくても……」

「まだ言うの?俺がああしなかったら、田中にもっと迫られてたよ」

恭介は目を細め怖い顔で私を見る。
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