極上な御曹司にとろ甘に愛されています
ぞくり……と身体が震える。

この悪魔的な雰囲気は危ない。

危険を察知して恭介の胸に手を当て逃げようとするが、彼はそんな私を嘲笑うかのように私を軽々と抱き上げた。

「うわぁ、ちょっと……何で抱き上げるんですか!」

恭介に文句を言えば、彼は構わずスタスタ歩き出す。

「疲れてるんだ。一緒にお風呂に入るよ」

一緒にお風呂?

冗談じゃない。

私が恥ずかしがるの知ってて言ってるんだから!

「ま、待って!卓がうちに就職決まったみたいで恭介に宜しくって」

恭介の気を逸らしたくて卓の話題を持ち出すが、彼は軽く相槌を打つだけ。

「それは良かった」

いけない!

このままバスルーム直行なんて嫌!

他の話題、他の話題……あっ!

「え~と、あの……そういえば今日『ノワール』に言ったらお洒落なおじいさんが……カシスのムースをご馳走してくれて」
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