極上な御曹司にとろ甘に愛されています
私に向けられるあの笑顔にどれだけ勇気づけられて、どれだけ癒されていたのだろう。

ううん、そこに恭介がいるだけで安心出来るのに……。

精神的な支えを失って私は不安になる。

弱気になっちゃいけない!

恭介がいなくても仕事頑張らないと……彼に笑われてしまう。

バチっと自分の頬を叩いて気合いを入れ、仕事に集中していると、後ろから誰かに肩を叩かれた。

「萌先輩!」

良く知った声がして振り向けば、総務部の一年後輩の美奈ちゃんがいた。

美奈ちゃん……近藤美奈は、私の後任になった子。フワユルパーマの茶髪に二重バッチリでお人形さんみたいに可愛い。

人懐っこくて甘い物が大好きで、総務にいた時はノー残業デーによくホテルのケーキバイキングを彼女と食べに行った。

「美奈ちゃん、おはよう。今日は誰かにチケット届けに来たの?」
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