極上な御曹司にとろ甘に愛されています
今日は休日でいつもなら恭介の家にいるはずなのに、後輩の結婚式があるからと言って自分のアパートにいる。

本当は彼の側にいたいのに……何か決定的なことを言われるのが怖くて逃げているのだ。

恭介の方も夕方彼のおじいさんと会うらしくて、結婚式が終わったら連絡するように彼に言われてるけど気が重い。

でも、彼は私の様子がおかしいのに気づいているし、いつまでも逃げるわけにはいかない。

どうしよう？

ハーッと深く溜め息をつきながら、網掛けのマフラーを編む。

“恭介とずっと一緒にいれますように”と願いを込めながら一目一目編んできたマフラーもあと少しで完成。

今の私はこれにすがるしかない。

雑念を振り払うように編み物に集中していると、玄関のドアがガチャガチャと音を立てて開いた。

チャイムを鳴らさずに鍵を開けて入ってくる人間はひとりしかいない。

「あれ？萌姉いたの？」

卓が私の顔を見て驚く。

１Ｋのアパートだから玄関から部屋が見えるのだ。
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