極上な御曹司にとろ甘に愛されています
じいさんは是が非でも俺を結婚させたいらしい。

大人しく静観してればいいものを……。

萌との時間を大切にしたかったのに、そこへじいさんにいらぬ茶々を入れられ、身内でなければ社会的に抹殺してやろうかとも思った。

俺もただ手をくわえて見ていたわけではない。

社長である叔父さんに言って、フラフラしているじいさんを実務に戻してくれるようにお願いした。

そもそも暇だから余計なことをしでかすのだ。

ちゃんと仕事を与えてやれば、じいさんの見合い攻撃も少しは減るかと期待していたが、敵もしぶとかった。

結婚式場のパンフレットを俺に送りつけてきて、ニコニコ顔で『どこがいい?』なんて聞いてくる。

あまりにもうざくて、じいさんに殺意を覚えた。

そんな見合いを巡る攻防をじいさんと続けているうちに十二月になり、ついに俺もじいさんと決着をつけることにした。

要は俺が結婚すればいいわけで……。

クリスマスに萌にプロポーズして、彼女をイギリスに連れていく。
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