極上な御曹司にとろ甘に愛されています
年末には彼女のご両親も上京するし、タイミング的に萌に全てを告げるには今しかないと思った。

五月から大切に温めてきた萌との関係。

俺にとっては彼女は唯一無二の存在で、結婚するなら彼女以外に他はいない。

じいさんの見合い攻撃に悩まされ、既成事実でも作って萌を無理矢理イギリスに連れていこう……なんて悪い考えが浮かんだこともあったが、それは止めた。

俺もかなり焦っていたんだと思う。

萌の意志を無視して彼女を手に入れても嬉しくはないし、子供を道具にはしたくない。

ただでさえここ数日彼女に避けられているのだ。

萌と第九を聞きに行った日、従姉の歩に会ったが、萌が化粧室で誰かに何か言われたらしいとこっそり教えてくれた。

萌の様子がおかしくて次の日歩に詳細を聞いたが、どうやら俺が水無瀬製薬の会長の孫というのを誰かから聞かされたらしい。
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