極上な御曹司にとろ甘に愛されています
口さがない連中がいるものだ。

うちの会社の誰かだろうが、俺の素性を知っていて女性ということは秘書課の女性社員あたりだろう。

だが、萌のあの避けようはそれだけが理由じゃないような気がする。

イギリス赴任のことも知ってしまったのではないだろうか?

だから……不安で俺を避けているように感じた。

このままでは萌に逃げられてしまう。

誠心誠意自分の気持ちを伝えなければ彼女には伝わらない。

萌に俺を選んでもらうには、金や地位は利点ではなくマイナス要素になる。

じいさんと決着をつけたら、萌にプロポーズするつもりでいた。

良い返事がもらえなくても、何度もプロポーズしようと心に決めて……。

じいさんに指定されたホテルに向かえば、案の定縁談の相手がいて、丁重にお断りしてホテルのエントランスまで見送ろうとしたら、偶然萌と出くわした。
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