極上な御曹司にとろ甘に愛されています
じいさんも特別な客が来た時に利用するらしい。

「こちらが部屋のキーです。源一郎さまからお好きなだけ滞在するようにと」

運転手が振り向いて、俺にカードキーを手渡す。

「好きなだけね」

俺は運転手の言葉に苦笑する。

じいさんなりの詫びなのだろうか?

散々迷惑をかけられたし、どうせなら萌のご両親が上京する時まで利用してやろう。

萌と一緒にホテルに入り、コンシェルジュにキーを見せると、最上階にある部屋まで案内された。

ベッドルームが二つにバスルームも二つ、おまけに二十畳近い広いリビングがある特別スイート。

じいさんの指示なのか、萌の荷物も運び込まれていた。

おまけに、服も数着用意してある。

準備のいいことで……。

チラリと腕時計に目をやれば、時刻は午前零時過ぎ。

辺りは凄く静かだ。

「……凄い。ホテルの部屋っていうより、もう家ですね」

萌は感嘆の声を上げると、街を一望できる大きな窓の前に立った。
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