極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「……高橋さんから別れ話は出た?とかなんとか……」

田中君の説明に水木さんは顔色を失う。

「なるほどね。水木さん、君の仕事ぶりは評価するけど、そのお喋りな口は慎むべきだと思うよ。自分の首を締めることになるからね」

恭介がニヤリとしながら毒を吐く。

彼の台詞を聞いて、水木さんは凍りついた。

恭介……凄く怒ってる。

この様子だとネチネチと水木さんをいたぶりそうだ。

水木さんが再起不能になりそう。

険悪なムードでグローバル推進課のメンバーが水木さんを囲んでるのは絵面的に良くないし、恭介に変な噂が立っても困る。

彼を止めなくては……。

「高橋さん……」

小さく呟いて恭介の手を掴んだその時、真木さんが何か思い出したように口を開いた。

「あっ、水木さん、そう言えば総務部長が君を探してたよ」

水木さんは無言でそそくさとこの場を立ち去る。

真木さんが彼女に助け船を出したのかなって思ったけど、真相は違ったようだ。
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