極上な御曹司にとろ甘に愛されています
年末、私の家族と恭介と私は、クリスマスに泊まったあの豪華なホテルにいた。

ホテルの中にある懐石料理のお店でうちの家族と恭介は和やかに話をしている。

「いやあ、この度は卓の就職の件で本当に高橋さんにお世話になりました」

父が恭介に向かって深く頭を下げる。

「いえいえ、僕は大したことはしてませんよ。頭を上げてください。就職が決まったのも卓君の実力と人柄によるものです」

恭介はにこやかに笑いながら、父の肩にポンっと手を置く。

「お父さん、頭を下げなければいけないのは僕の方です」

「は?」

恭介の言葉に驚いて父が顔を上げると、恭介は綺麗な所作で頭を下げた。

「萌さんを……お嬢さんを僕に下さい」

私も恭介の横で父に頭を下げる。

「お父さん、お願いします」

父は「ええ~‼」と素っ頓狂な声を上げて目を丸くした。

そりゃあ驚くよね。恋人がいることも伝えてなかったし……。

「あらあら~、何て嬉しいお話。こんなイケメンが萌の旦那さまになってくれるなんて」

母は嬉しそうに両手を頬に当てる。
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