極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「お腹も一杯になったし、帰ろうか。ちゃんと歩ける?」

「もちろん歩けるよ」

萌は胸を張って言うが、足元はかなり怪しい。

「じゃあ、萌姉またな。高橋さん、よろしくお願いします」

萌の弟がドアの外までついてきて、にこやかに手を振る。

俺も軽く彼に頭を下げると、ふらつく萌の腰に手をやった。

さあて、これからどうしたものか?

少し彼女の酔いを覚ますために歩くか。

イルミネーションが綺麗な銀座の街を萌と歩くが、急に雨が降ってきて俺達は近くの店の軒先で雨宿りした。

天気予報では雨なんて言ってなかったんだが……。

通りがかったタクシーを運よく捕まえて、千鳥足の萌を先に乗せると俺も乗り込む。

「萌、家はどこ?」

「うふふ、内緒」

クスクス笑いながら萌が答える。

「家に送っていくから住所教えてくれる?」

「ダ~メ。恭介と離れたくないもん」
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