極上な御曹司にとろ甘に愛されています
口を尖らせて言うと、萌は俺の腰に手を回してギュッと抱きついてきた。

「それが本心なら嬉しいけど。萌、なんか身体熱くない?」

俺に伝わってくる萌の身体の熱がすごく熱く感じる。

「……う~ん、熱いかも」

目を閉じながら自分の着ていた赤いカーディガンを脱ぐ萌。だが、それで終わらず下に着ていたブラウスまで脱ごうとする。

「萌、それは着てないと風邪引くよ」

慌てて子供に言うように注意して萌の手を止めるが、彼女の手があまりに熱くて驚いた。

酔っているから身体が熱いのかと思っていたが、これはどうもおかしい。

萌の額に手を当てると、かなり熱かった。

「すみません。広尾まで」

熱がある萌を彼女の家に送るのを諦め、俺はタクシーの運転手に自宅マンションの住所を教えた。

熱と眠気で口数が減った萌に自分の膝を貸す。

「萌、もうちょっとで着くから我慢して」
< 59 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop