極上な御曹司にとろ甘に愛されています

部長も真木さんとはタイプが違うが、仕事が出来る人だと思う。部の社員ひとりひとりに必ず声をかけてとりとめない話をし、何か問題がないかさりげなく探りを入れ、部全体をしっかり把握してる。

そのせいか、部内の雰囲気も部長の性格のようにとても穏やかで居心地がいい。

見た目は頼りなさげに見えるけど、私は上司として彼を尊敬していた。

『でもね、相田さんが後輩をしっかり育ててくれたから、断る理由もなかったんだよね。キャリアアップになるし、頑張ってね』

部長がこれでこの話はおしまいとばかりに笑顔で私にエールを送ると、手に持っていた書類に目を落としたが何か思い出したのかパッと顔を上げて私を見る。

何か私の救済案でもあるのかと期待したのだけど……。

『あっ、悪いんだけど……酒田君呼んでくれる？』

『……はい』