極上な御曹司にとろ甘に愛されています
3、夢か現かわからない
夢なのか現なのかわからない。

いくつかのシーンが私の頭の中で浮かんでは消えていく。

例えば、トイレで吐き気がして苦しくて、でも吐きたくても吐けない私の口に高橋さんが指を突っ込んで私を吐かせてくれる。

普通なら人の口に指を突っ込むなんて“汚い”って考えると思う。それが高橋さんだなんて……あり得ない。だから、私は夢と思うことにした。

他にも卓と高橋さんが親しげに話していて……。

「恭介さん、すみません。こんなに迷惑おかけして……。まさか萌姉が病気で寝込むなんて思ってなくて」

「四月から部署が異動になって、萌かなり無理してたんだと思う。これからは俺も気をつけるから」

そんなふたりの会話が聞こえてきたり、私が「寒い」ってブルブル震えると、高橋さんが私の身体を抱き締めてくれて……。

これは、私の願望がそのまま夢になったような気がする。

でも……その時々の苦しさとか……辛さとかがやけにリアルで……。
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