極上な御曹司にとろ甘に愛されています
咳が苦しくて胸を押さえていると、高橋さんが心配そうに私の顔を覗き込んできた。

「返事をするのも辛いよね。無理に喋らなくていいよ。着替えを取ってくるから待ってて」

私から離れ、ベッドを下りる高槁さん。

寝室を出ていく彼を視線で追うが、すぐに視界が霞がかってしまいよく見えない。

高橋さんがいなくなると、自分も起き上がろうとゆっくりと上体を起こした。

聞こえるのは肩でゼーハー息をする自分の息遣いと、激しい雨の音。

薄暗いせいもあるけど、まだ視界がボヤける。目を凝らして焦点を合わせようとするが、上手くいかなかった。

「萌、着替えるよ」

すぐに高橋さんが戻ってきて私の下の名前を親しげに呼ぶ。

「はい、万歳して」

ボーッと彼の顔を見ていると、彼は子供に言うように私に優しく指示を出した。
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