極上な御曹司にとろ甘に愛されています
狡い人だって思う。自分の魅力を熟知した上で、彼は私を誘惑するのだ。

高橋さんのようなハイスペックな人間が、私のような平凡な女を好きになるわけがないって頭ではわかっているのに、心は彼の言葉にキュンっとなっている。

「私……」

「いいよ。無理に言葉にしなくても。萌の身体に聞いてみる。嫌なら逃げて」

“逃げられるものなら逃げてみろ”と、高橋さんの目は言っている。

「高橋さん……それってどういう……んん‼」

“どういう意味”って聞こうとしたら、高橋さんが顔を近づけて私の唇に触れた。

私の下唇を甘噛みしながら、時には激しく、時には優しいキスをして彼は私を翻弄する。

夢中になって目を閉じてしまったのは私。

彼の唇が離れて寂しく感じたのも……私だ。

「もっと欲しいって顔してる」

図星だった。

高橋さんは私の唇を親指の腹でゆっくりとなぞる。

「……高橋さん!」
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