極上な御曹司にとろ甘に愛されています
恥ずかしくて顔の熱が一気に上がった私は、拳を握り肩を上下させながら声を上げた。

「恭介だよ。ふたりでいる時は下の名前で呼ばないと、次はキスだけじゃ終わらないかもしれないよ」

この上もなく美しい悪魔が、口許に笑みを称え私の耳元で囁く。

「それとも、もっと先へ進みたい?」

艶っぽい流し目で問いかける彼は、私をおかしくさせる。そんな自分を知るのが怖くて、私は折れた。

躊躇いながらも「……恭介」と彼の名前を口にする。

すると、フッと恭介が微笑んで、また私の唇を奪った。

それは『濃厚』という言葉がピッタリな凄く官能的なキスで……。

恋愛経験がない枯れた女の私には衝撃が強すぎて、しばらく口をパクパクさせながら呆然としてしまった。

数十秒後にやっと我に返る。

「な……名前で呼んだのに……な……何でまたキスするんですか!」

つっかえながらも上目遣いに恭介を睨み付けて抗議すれば、彼はしれっとした顔で言う。
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