極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「キスしないとは言ってないよ、萌」

悪魔に翻弄される私。

「……意地悪」

そう言葉を発するのがやっとだった。

風船の空気が抜けるように、私の中のエネルギーもプシューと抜けていく。

身体の熱も一気に上昇したのか、辛くて体勢を保てず恭介に寄りかかった。

百メートルを全力疾走で何十回も走らされた気分だ。

頭も身体もオーバーヒートしてる。

もう……ダメ。これ以上起きてるのが辛い。

「……もうキャパ一杯」

独り言のように呟いて、じっと目を閉じる。

「少し萌には刺激が強すぎたかな」

グッタリして動けない私を優しく抱き留めると、恭介は苦笑しながらポツリと呟いた。
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