極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「高橋さん?」

「恭介だよ」

恭介の行動に驚いて咄嗟に彼を名字で呼んでしまった私を、彼はやんわりと訂正する。

「仕事熱心な萌は好きだけど、無理してまで会社に行くのは感心しないな」

恭介は溜め息交じりの声で言う。

「でも、熱がないなら行きます」

仕事が待ってるのだ。悠長に休んではいられない。今の部署で事務を担当してるのは私だけだし、代理を頼める人間なんていない。這ってでも行かないと……。

「熱はなくても、この二日間ほとんどベッドで寝てたんだよ。その身体で家に帰ってまた仕事に行く?倒れるよ」

「仕事を放り出せません。総務にいた時だって、熱があっても出勤してたこともあるし大丈夫です」

「俺が側にいる限り、それは認められない」

厳しい顔をして、恭介は上司のような口調で言う。

「そんなあ……」
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