極上な御曹司にとろ甘に愛されています
私は悔しくてボソッと憎まれ口を叩いた。

「意地悪で結構。俺も看病で疲れてるからもう少し寝かせて」

優しく言いながらも、恭介は的確に私の弱点をついてくる。

そんなことを言われてしまっては大人しくするしかない。

恭介が寝たら自分だけ起きて、ここを出ていこう。

しばらくじっと我慢して黙っていると、身体が温まってきて瞼が段々重くなってきた。

寝ちゃいけないって何度も睡魔と戦ったけど、結局私は負けたらしい。

気づいた時には、隣に恭介の姿はなかった。



……いない。

自分を守るような温もりがないのに気づいて目が覚める。

ベッドには私ひとり。

自分の横のシーツに触れると、まだいくらか温かかった。

まだ起きて間もない?

自分もベッドから飛び起きるが、ずっと寝たきりだったせいか身体がかったるい。
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