千年の眠りから覚めれば
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「じゃあ、そろそろ行くか……」
制服姿の那雪と呉羽は大きく開いた玄関の
敷居をまたいだ。
玄関から門まではそこそこ距離がある中、
やはりの白装束姿の者達と何人かすれ違った。
「あ、那雪様、呉羽様、行ってらっしゃいませ」
顔を合わせるたびそれぞれが笑顔で見送った。
門のそばで箒を持ってた別の同世代らしき
二人も同じように挨拶をする。
「行ってきます」
「行ってきまーす!
あ、将輔!仁!今日から本家入りだって聞いたよ!
頑張ってね〜」
「あ、あの、はい!ありがとうございます!」
「那雪様もお気をつけて!」
那雪からそんな事を言われるのは想像していなかったらしく
動揺しつつも笑顔を見せておじぎをした。