千年の眠りから覚めれば



さて、ここでひとつだけ紹介をしておくと、



さっきから狐が人間になったり白装束姿の呉羽なり

本家だの分家だのという言葉と挙句の果てに那雪の一言で

だいたい察しはついていると思われるが一応いうと、

那雪と呉羽の家は陰陽師である。

それも、かなり大きい。

東条院家は平安から続く由緒ありすぎる陰陽師家なのだ。


そして、那雪も呉羽もその家で暮らし、

陰陽師として日々過ごしている。



とは言っても、二人は見習いではなく

れっきとした一陰陽師である。


本家に生まれた故か、才能か、はたまた努力かは

本人たちしか知らないが、

その完成された力は見習いとして家の中に閉じ込めておくには

あまりに勿体無い。

というわけで、最前線で戦う2人である。



陰陽師の仕事といえば

失せ物探しや占い、そして……妖退治。


それぞれ陰陽師家によって得意とするものは異なるが、

東条院家は特に妖についてプロフェッショナルを誇る。


その業界の中では知らないものは居ないだろう。


そんな中で最前線で戦う二人はつまりは

とてつもなく優れた陰陽師である。


噛み砕いていうと、

とりまヤバいスゴい奴ということだ。


と、なれば白のことは納得は行くだろうが

彼は那雪の式神だ。

式神というのは簡単に持てるものではない。

陰陽師の中でも一部のものしか使うことは出来ない。

それに従える術者のレベルによって式神の強さも変わってくる。


那雪は白だけではなく、合計二体式神を従えている。

まぁそのもう一体はあとで説明するとしよう。


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