お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~

ビーンズサラダはオリーブオイルで

「オムレツの時は夜中に来て作ってくれたから、今度は日を改めて手作りパスタをご馳走するよ」
先生からそう電話があり、私は楽しみにしていた。

仕事が早く終わった先生と待ち合わせて、海外の食材が揃うデパ地下で買い物をする。

「パスタいろんな形があって可愛い。あ、これいいな。体に良さそう」パスタにほうれん草やら、ニンジン、トマト、かぼちゃなどの野菜が練り込んであり、とてもカラフルだ。

「可愛いけど、詠美ちゃんの好きなトマトソース絡めるからあまり色は目立たないよ。バジル好きだったよね?」
「うん。アンチョビも」
「鷹の爪いれて少し辛いの作ろうか」
「うん!あ、シーフードがいいな。ペスカトーレっぽいやつ」
「了解。パンは?フォカッチャとかイタリアのパン?それとも」

「うーん。私的には固くて噛みごたえのあるフランスパンか、雑穀なんかをつかったドイツパンがいいな」
「ドイツパンか。ヘルシーでいいね」

食べごたえのあるドイツパンをチョイスする。
「オリーブオイル買わなきゃだな」

先生は、かなり大きなオリーブオイルの瓶を手にする。
「そんなに大きなの買うの?小さいのあるのに」
「パンにつけたりだとか、サラダに色々と使えるし僕好きなんだ。料理以外にも使えるしね」
「へえー。確かに今、化粧品とかにもオリーブオイル使われたりしてるもんね」

何やかんや言いながらの買い物は楽しい。さりげなく相手の好みであるとか、知ることが出来るからだ。



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