お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~
「香炉峰の雪って何?」傍にいたお局様が私に聞いてきた。
「知りませんか?清少納言の枕草子に出てくるんですよ。中宮定子(ていし)が外に降り積もった雪を見て自分につかえていた女房(女官)たちに謎かけをするんです。」
「どんな?」
「【中国の香炉峰の雪ってどんなのかしらね?】って」
直ぐ様気がついた、お付きの一人だった清少納言が、傍にいた供のものに格子扉を開けるように言います。格子扉が開けると、外の雪の景色がよく見えるようになります。そして、「いかがでございましょう?」と清少納言は御簾を掲げて、中宮定子に外の雪を指し示したと言います。
中国の文献に、『香炉峰の雪は御簾を掲げて見る』という一節があり、中宮定子の謎かけにすぐ様気がつき、機転を利かせて答えた清少納言の博識さを、中宮定子は高く評価しこれにより、清少納言は出世して行くことになるんですよ。
私はブラインドを御簾に見立てて、おどけてお局様を見た。
「さすが歴女ね、松嶋さんは。そう言う風には思わないもの」
「そうですよね、歴史オタクだから結婚できないのかも」
そう言いお局様と笑った記憶があった。
そのやり取りを先生は聞いていたなんて。
「知りませんか?清少納言の枕草子に出てくるんですよ。中宮定子(ていし)が外に降り積もった雪を見て自分につかえていた女房(女官)たちに謎かけをするんです。」
「どんな?」
「【中国の香炉峰の雪ってどんなのかしらね?】って」
直ぐ様気がついた、お付きの一人だった清少納言が、傍にいた供のものに格子扉を開けるように言います。格子扉が開けると、外の雪の景色がよく見えるようになります。そして、「いかがでございましょう?」と清少納言は御簾を掲げて、中宮定子に外の雪を指し示したと言います。
中国の文献に、『香炉峰の雪は御簾を掲げて見る』という一節があり、中宮定子の謎かけにすぐ様気がつき、機転を利かせて答えた清少納言の博識さを、中宮定子は高く評価しこれにより、清少納言は出世して行くことになるんですよ。
私はブラインドを御簾に見立てて、おどけてお局様を見た。
「さすが歴女ね、松嶋さんは。そう言う風には思わないもの」
「そうですよね、歴史オタクだから結婚できないのかも」
そう言いお局様と笑った記憶があった。
そのやり取りを先生は聞いていたなんて。