お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~
31歳、運命の出会い

思いがけない出会い

先生と別れ、合コンで知り合った順一くんにフラれ、お見合いも散々だった私。

「もういいや、傷つくのが嫌なの。恋しなければ傷つかなくていいもん」最後の方には開き直りともとれる態度で、出会いの場に行く事をやめた。

親友の心咲に発破をかけられ、「私の仲のいい男友達の野球の試合を見に行かない?」とある時誘われた。

合コンやバーベキューなど、心咲が色々と心配して出会いを作ってくれているのに、気乗りしないせいか、私が連絡先を誰とも交換せずにいたのはザラだった。

「野球かあ。私大好きなんだよね」
その男友達の試合と言うのは、市の社会人の草野球チーム内で、トーナメントを行っていた、その大会の予選だったのだ。

心咲の男友達は、チーム内で2人しかいない野球経験者のうちの1人だった。その事からチームのキャプテンだった。

彼の出身校は県内でも甲子園出場を何度か果たしており、彼の代では無理だったが、1つ下の学年が甲子園出場を果たした。

私よりその彼は2歳年上で、後に私の旦那様となる男性なのだが、その時は思いもよらずにいた。

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