お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~
私は超がつくと言っていいほど、運動音痴だった。しかし、スポーツ観戦は好きで神戸にいる事もあり、甲子園に高校野球を観に行ったり、阪神タイガースの応援をしたりで、子供の頃から野球好きで、ルールもある程度知っていた。
後に旦那様となる直哉(なおや)はインドアな私と違って体を動かす事が大好きで、小さい頃からリトルリーグに入っており、野球漬けの生活を送ってきたらしい。
その日の野球の試合は、快勝で心咲が「チームのメンバーと打ち上げ行くから詠美もおいで」そう言われ、当時は出会いがありそうな場に行かなくなっていたのに、その時は何故だか快諾した。
居酒屋で夜、打ち上げが始まった。直哉のチームのメンバーに加えて、家族も来ていたので、大人数だった。当初は直也と離れて心咲と一緒に座っていた。
心咲が「そうだ。私の仲のいい直哉紹介するね」そう言い、席をたつ。私も後から着いて行った。ただその時は、挨拶をするだけだと思っていた。
「直哉、前にも言ってたけど、親友の詠美だよ。野球好きだから連れてきたの」
「松嶋詠美といいます。今日の試合、観させてもらいました。快勝おめでとうございます」
「・・・ありがとう」彼は箸を休めて、私の方を見た。
「俺は高田直哉っていいます。そうだ、飲んでる?」ビールを勧めてくるので、
「あまりお酒強くないんで、でも頂きます。」
「じゃあ、少しだけ入れるね」
空いたグラスを手に取り、直哉が注いでくれたビールを、一気に飲み干した。
後に旦那様となる直哉(なおや)はインドアな私と違って体を動かす事が大好きで、小さい頃からリトルリーグに入っており、野球漬けの生活を送ってきたらしい。
その日の野球の試合は、快勝で心咲が「チームのメンバーと打ち上げ行くから詠美もおいで」そう言われ、当時は出会いがありそうな場に行かなくなっていたのに、その時は何故だか快諾した。
居酒屋で夜、打ち上げが始まった。直哉のチームのメンバーに加えて、家族も来ていたので、大人数だった。当初は直也と離れて心咲と一緒に座っていた。
心咲が「そうだ。私の仲のいい直哉紹介するね」そう言い、席をたつ。私も後から着いて行った。ただその時は、挨拶をするだけだと思っていた。
「直哉、前にも言ってたけど、親友の詠美だよ。野球好きだから連れてきたの」
「松嶋詠美といいます。今日の試合、観させてもらいました。快勝おめでとうございます」
「・・・ありがとう」彼は箸を休めて、私の方を見た。
「俺は高田直哉っていいます。そうだ、飲んでる?」ビールを勧めてくるので、
「あまりお酒強くないんで、でも頂きます。」
「じゃあ、少しだけ入れるね」
空いたグラスを手に取り、直哉が注いでくれたビールを、一気に飲み干した。