お口にクダサイ～記憶の中のフレグランス～

結婚を前提に、お付き合いをはじめた私たち。年齢も年齢ということもあり、翌年に結婚することになった。

お互いの両親にも挨拶を済ませた。彼の大学の時の親友夫婦と甲子園にタイガースを応援に行った。そして、福井県にフグを食べに旅行に行った。

カニは身を取るのが面倒くさいと直哉が言った。それでフグになった。どちらも好きなので、私はカニでもフグでもどちらでもよかった。

その当時は行かなかった、福井県の恐竜博物館。後に2人の息子を連れて恐竜博物館に行くことになるなんて、その時は当たり前だけど、思いもよらなかった。

結婚しても仕事は続けるつもりでいた。そして、「子供がある程度大きくなるまで、働かないで家にいてほしい」と直哉が言うので、子供が生まれるまで仕事をしようと思った。

結婚式には、事務長、お局様、仲のいい事務員、そして親友の心咲、学生時代の友人たちを呼んだ。

私は私のメリーゴーランドに乗って、ゆっくりとした速度で回りはじめた。