お口にクダサイ～記憶の中のフレグランス～

豊かな胸の谷間に、嫉妬してしまった貧乳地味子の私。

女の勘。女社長は先生が気に入ったのだとわかった。先生も話をうまく合わせて2人して盛り上がっていた。

それを見た事務長が、「おっ。そう二人で並んでいると美男美女で絵になりますね。お似合いですよ」

そう言うと、まわりは酔っていたせいもあるだろうが、カップル成立！なんて勝手に野次を飛ばす者もいた。

「美女だなんてそんな。先生はとても素敵な方なので、私とカップルだなんて言うと先生に失礼ですわ」満更でもないと言った風だったが、慌てて謙遜する。

先生は場の空気を壊さないように、「いえいえ、事務長私を持ち上げすぎですよ。そんなにハードル上げられたら、彼女を口説くに口説けなくなるじゃないですか。」

「ああ、すまんすまん。ついビジネスで先生を売り込むつもりが、どこで間違えたかな？」
そう言うものだから、酔っている皆はどっと笑った。

とりあえず私も、皆と同じように笑った。