お口にクダサイ～記憶の中のフレグランス～

「え？ドライブシアターに行きたい？」
例のキスゲームの舞台を、ドライブシアターに賭けた私。

キスゲームを仕掛けておいて、うちの職場に来てもいつも通り涼しい顔をして仕事をするくせに。

昼休みにメールを確認すると、先生からこんなメールが入っていたりした。
【僕は詠美ちゃんにキスしたくてたまらないのに、何かいい策浮かんだ？楽しみにしてるね】

『・・・じゃあ、駆け引きしないで、早くキスしてよ！』とキレたくなったりもしたけれど、ここまで来たのなら、キスゲームに負けたくない。

デートをする日が決まったけれど、その日は急な事にクライアントの都合で、朝早くから出張することになり、直帰しても16時頃になると言われていた。

「岡山の倉敷なんだけど大丈夫？」
「うーん。須磨から高速乗れば混んでなければ2時間あれば行けるけど。夕方は混むかな？でも夜でしょ？ドライブシアターって。」

「うん。ナイトシアターだから。それにたぶんやってる映画もブラピの昔のやつだったと思うけどいい？」

「僕は別に構わないよ。」

「大阪もドライブシアター閉鎖したし、岡山ももうじき閉鎖かもって。なんか寂しいな」

「車の中が映画館になるもんね。ロマンチックだ」

・・・先生にベタだと思われたかしら？？