お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~

「うーん。先生の服を脱がせるように仕向けるとかダメ?」

「僕が脱いでどーすんの?北風と太陽じゃあるまいし」

「官能小説でも読もうかな?あ、へんな声はだめなんだよね」
「僕の前で官能小説とか読めるわけ?」
「・・・読めない。恥ずかしくて」自分でも顔が赤くなるのがわかった。

「顔赤くしてるんじゃない?そう言う何て言うかな、ちょっとした照れ顔とか、そんなんにグッとくるかな」

「照れ顔かぁ」
「グッとくるけど、その雰囲気によりけりだから、必ずしもグッとくるかわからないけどね」

「うー。考えとく」
「楽しみにしておくね。おやすみ、愛してるよ」
「うん」
「ね、僕の事はどう?うんじゃわからないよ」

恥ずかしくて、愛してると言えない私を困らせようと、わざと言っているのだ。

「今度会ったらちゃんと言うから。電話じゃ顔が見えないから嫌だもん」愛する貴方は電話の向こうで笑っている。

「そっか、それも楽しみだ。おやすみ」

お泊まりセットも用意して、歌じゃないけど決戦は金曜日、さて、どうしよう?
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