お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~
「う、嘘だろ?こんな妄想だけでここまで・・・」先生は自分の腕に水滴がしたたりおちる感覚に、信じられないといった風に私の顔を見上げる。
粘り気のあるそれは、今私の脚の間から溢れでたものだった。
「すごいな、ここまでとは思わなかった」
「ね?キスより先・・・」答えを聞く必要などなかった。唇をふいに奪われて言葉を遮られたからだ。
浴衣の裾を割られたかと思うと、ベランダの柵にもたれるようにして立たされる。しかし、立っているのがやっとだった。
立ったまま、先生を迎えいれる。動きが増すごとに私の背中が柵に当たり、その痛みが強くなっていく。
最期は先生にしがみつき、意識が遠退くその前に、先生の汗と私の好きなフレグランスの香りがあわさり、私はそれが一番好きなのだと、鼻先を掠める匂いに堕ちていった。
「詠美ってば顔赤いよ。大丈夫?のぼせたの?救護室とか行く?」同僚の声で我にかえる。
目の前をディズニーのパレードが通りすぎていく。
「話しかけても返事しないし、夢の国まできて、他に空想することってあるの?」
「今の面白い!座布団1枚あげるわ」
本当だ。子供の頃から大好きな夢の国まできて、あの夜の濃密な大人の時間を、また思い出していた自分が可笑しくなった。同僚も座布団1枚に笑いこけた。
季節はまた過ぎていくだろう。季節は変わっても愛する先生が傍にいてほしい。
早くもハロウィンの装いをはじめた夢の国で、当時は夢見ていたのだった。
粘り気のあるそれは、今私の脚の間から溢れでたものだった。
「すごいな、ここまでとは思わなかった」
「ね?キスより先・・・」答えを聞く必要などなかった。唇をふいに奪われて言葉を遮られたからだ。
浴衣の裾を割られたかと思うと、ベランダの柵にもたれるようにして立たされる。しかし、立っているのがやっとだった。
立ったまま、先生を迎えいれる。動きが増すごとに私の背中が柵に当たり、その痛みが強くなっていく。
最期は先生にしがみつき、意識が遠退くその前に、先生の汗と私の好きなフレグランスの香りがあわさり、私はそれが一番好きなのだと、鼻先を掠める匂いに堕ちていった。
「詠美ってば顔赤いよ。大丈夫?のぼせたの?救護室とか行く?」同僚の声で我にかえる。
目の前をディズニーのパレードが通りすぎていく。
「話しかけても返事しないし、夢の国まできて、他に空想することってあるの?」
「今の面白い!座布団1枚あげるわ」
本当だ。子供の頃から大好きな夢の国まできて、あの夜の濃密な大人の時間を、また思い出していた自分が可笑しくなった。同僚も座布団1枚に笑いこけた。
季節はまた過ぎていくだろう。季節は変わっても愛する先生が傍にいてほしい。
早くもハロウィンの装いをはじめた夢の国で、当時は夢見ていたのだった。