お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~

エドワード王子とスエットの貧乳地味子王女

「仕事と私どっちが大切なの?」まだ学生だった頃、仕事で会えないという5歳年上の当時の彼氏に言ったことがあった。

これを言われてムッとくる男性も多いことだろう。

私も愚問だと思うのに、喧嘩の時とか感情的になり、ついつい口にしてしまう。

そもそも仕事と彼女となんて、比べるものではないとわかっている。

私の誕生日に夜、会えないと言うのに、ビジネスの話となると都合をつけてみると言った先生。

私の誕生日の前日の夜に、先生が電話をかけて来たとき、ついつい言葉にしてしまった。

「私の誕生日の夜会えないって即答したのに、由美子さんとの仕事の話だと都合つけるだなんてヒドイよ」

こう言われた先生は、
「君も仕事しているからわかるだろう。仕事と君と比べるなんて出来ないよ。もう学生じゃないんだから、わかってくれると思ったのに。残念だよ」

また電話するからとだけ言い、先生は一方的に電話を切った。

会えないときの電話は貴重なのに、どうしてこんな事言っちゃったんだろう。

電話を切られてしまい、私は自分の幼稚さに、自己嫌悪におちいった。

私はその日は眠れずに、朝まで泣き通した。 

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