お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~
ユッキーは手慣れた様子で部屋を選び、エレベーターに乗り込む。私はドキドキがとまらないのに、相変わらず涼しい顔をしているユッキー。

部屋に入ると、風呂に入りたいとバスタブのお湯を入れにいったユッキー。どうしていいかわからずに、その場に立ち尽くす私。

「そういえばさ、そのトラウマで男の精液の臭いが苦手って言ってたよね。安心して。俺イカないから」

「???」
「俺さ、ホスト時代に客とかとヤリすぎてイケなくなったんだ。それが俺の秘密。だから女の子とホテル入っても、別になにもしないで寝るだけとか平気だし」
「え?ヤリすぎって100人斬りとか言うやつ??」
「数えた事ないけど、まあ100超えはしてるかも」

そうこうしているうちに、お風呂のお湯が入ったようだ。ユッキーは私の目の前でさっさと服を脱ぎ、全裸になって腰にタオルを巻くから、思わず顔を背けた。

「入ろうよ。脱がないの?」

だって、と口ごもる私に、「体がどうとかアホくさいよ、ほら」

着せかえ人形のように服を脱がされ、なすがままだった。
「下着可愛いね。俺好きだな、そういうの」緊張をほぐすためか、そう言ってくれた。

幻滅されてもいいか。友達の彼氏なんだし。

そう割りきれた私は、お風呂で彼の背中を流して色々と話をした。

そして私はセカンドバージンを彼に捧げた。慣れているユッキーだったから、安心して身を任せられた。
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