半妖の子
二国協定
古来より人と妖は敵対してきた。


そのため多くの犠牲者を生み出した。


よって人と妖の種族には協定が結ばれた。


一、互いに争わないこと


二、互いに助け合うこと


三、求められた助けには応じること


これらを二国協定と呼ぶ。


この協定に違反するものは重い罰が下される。


そして協定が結ばれたと同時にそれぞれの地区に妖は長を配置した。


東西南北、4人の長を配置し、4人を従わせるものを妖界の王とした。


それは今もなお受け継がれている。


その子孫に1人の娘がいる。


名は可愛美弥(かわいみや)。


九州全域を任される長だ。


皆からは姫と呼ばれている。


様々な人間たちから依頼を聞いてきた美弥。


今回はいつにもなく大変そう。


人間社会を狙う組織。


その組織を人間と協力し滅ぼせとのこと。


いくら美弥が長とて千人近くいる組織を滅ぼすなど無理に等しい。


だが美弥は妖の長。


逃げるわけには行かないのだろう。
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