私の青春、君の人生
「……か……梨佳!」
布団が一気にはがされた。
「いつまで寝てるの!今日卒業式でしょ!?」
あ、今日卒業式か……。
時間はいつも起きてる時間と同じ。
なんだったんだろ、さっきの夢。
その瞬間、大事な何かをなくしてしまったような、不思議な気持ちにかられた。
無性に会いたいという気持ちが生まれるけれど、誰に会いたいのか全くわからない。
あたしは不思議な気持ちを抱えたままベッドから降りて、準備を始めた。
この制服も今日で最後か。
みんなと会えるのも……
ダメだ。式が始まる前から悲しくなってくる。
勢いよく首を振った。
今日は、気合入れちゃおっかな。
髪を巻いて、アクセを1個。
「よし、いい感じ」
いつもより時間をかけてセットしていたら、もう時間。
「やば。急がなきゃ」